登山電車でユングフラウヨッホ2013年12月23日
前の記事でお伝えしました様に、昨年6月に先端加工技術の国際学会であるHPC(High Performance cutting)2012-Zurichへ技術発表のため出張しました。
同行者は長岡技大教員の田中助教と学生のO君です。
その際に、一生に一度は行きたいと思っていたヨーロッパアルプス・ベルナーオーバーランド3山が望めるユングフラウヨッホ駅へ行く機会に恵まれました。
ユングフラウ鉄道という登山電車で行ける地球上で最も高いところにある駅で、海抜は何と3,454Mです。
駅からスフィンクス展望台(海抜3,571M)へ登り、アイガー、メンヒ、ユングフラウのヨーロッパアルプスの4,000M級ベルナーオーバーランド3山を眺めることは20年来の夢の1つでした。
今回のスイス出張では、6/8金曜日1日だけ完全にフリーです。
この機会を逃してはならぬと、3人でチューリッヒから日帰りツアーを企て遂に行ってきました。
しかし、普段の行いが悪かったのかチューリッヒを出発する朝から大雨で、ユングフラウヨッホは6月なのに氷点下で吹雪でした。
まだ、すずらんさんともお知り合いになっていませんしね。うふ
天候の具合で3山すべては見ることができませんでしたが、冠雪したメンヒを望むことができ万感の思いを味わいました。
それこそ生きていて良かったと思う瞬間でした。
生きてさえいれば、極々たまに夢が叶うこともあるものだと実感しました。
■ 朝から大雨

せっかくのアルプス行にも関わらずチューリッヒは夜明け前から大雨が降っていました。
電車代が¥27,000-ほど掛かるし(登山電車3本乗り継ぎの区間が非常に高額です)雨なので予定を変えようかとも提案しましたが、スイス全土が雨模様なのでどこへ行っても降られるならてっぺんを目指そうと合意し、とにかく出発しました。
■ チューリッヒ駅

チューリッヒ駅へ到着しました。


出発時刻を確認すると、7:02発ベルン行の特急があります。
ユングフラウへ向かうにはベルンまで行き、そこで乗り換え特急でインターラーケンまで向かいます。

そこから、登山電車3本を乗り継いで目的地へ辿り着きます。
■ ベルン行特急

2階建ての特急列車に乗り込みます。
■ ベルン到着

ベルンの街に入ります。
しっとりと落ち着いた良さそうな街です。

ここまで乗ってきた列車の室内です。

ベルン駅でインターラーケン行特急へ乗り換えました。
■ インターラーケン

そろそろインターラーケンへ到着します。

特急列車を降りウエスト駅から登山電車のオスト駅まで歩きます。
O君も嬉しいのか、はしゃいでいます。

相変わらず雨が降っていますが、チューリッヒを出発した際と比較すると大分小降りになりました。

ベルナーオーバーランド山域を走る登山電車の案内板前です。


登山電車の切符を購入しますが、ここまでの特急電車と比較するとチューリッヒ、インターラーケン間が約150kmの距離で往復130CHF(スイスフラン)、インターラーケン、ユングフラウヨッホ間が20km程度で往復110CHFなので約6倍の値段です。
観光列車なので高額なのは仕方がないですが、もう少し廉価だと良いですね。
■ インターラーケン・オスト駅

登山電車の起点駅です。

この電車で次の乗換駅ラウターブルーネンまで行きます。

雨は止んでいますが、雲が低く垂れこめています。

風景がアルプスらしくなってきました。
■ ラウターブルーネン駅

ここでこの電車に乗り換えます。

味わい深い車両の電車も走っています。

座席は狭いです。

天候は悪いですが、観光客が一杯です。

穂高の屏風岩の様な風景です。

ここにも雲が垂れ込めています。


途中駅ですが、ホームも観光客が沢山です。
日本人、アジア人もとても多いです。

この電車もアプト式です。
レールの真ん中にラックが見えます。
■ クライネシャイデック駅

最後の乗換駅、クライネシャイデックに到着しました。
ここから、岩のトンネルが殆どのユングフラウ鉄道へ乗りまえます。

ユングフラウヨッホ行きです。
この登山電車で最終目的地のユングフラウヨッホまで登ります。
ここの海抜が約2,060M、ユングフラウヨッホ駅の海抜は3,454Mなので、短い距離で一気に1,400M程の標高を稼ぎます。
又、クライネシャイデックを出発するとすぐに岩盤の中のトンネルに入り、ユングフラウヨッホまではずっとトンネルの中を走るそうです。
全工程の約9割がトンネル内とのことで、まるで地下鉄ですね。

標高が高くなったので、向こう側の小山にも雪が見えます。

相変わらず雨が降り続いています。

いよいよ出発しました。
カーブがきつく6両編成なので、後ろの車両が良く見えます。
■ ハイジ登場

列車内のモニター画面ではハイジが日本語でユングフラウ鉄道の解説をしてくれます。
どれだけ日本人観光客が多いかという証ですね。

雲間に冠雪した山肌が望めます。
■ トンネル内の駅


途中2か所のトンネル内の駅に停車します。

それぞれ展望用の窓がセットされており、山容や氷河を眺めることができます。

若干の説明展示があったり、無料トイレや自販機も完備しています。

電車の前で記念撮影です。
■ ユングフラウヨッホ駅

終点のユングフラウヨッホ駅に到着です。
標識の文字がこのホームの海抜が3,454Mありことを示しています。
穂高の3,100Mが体験上の最高海抜だった私の記録もあっさり更新です。
しかし、自身の足で一歩づつ登ってきたわけではないので、気圧変化への対応が間に合わない様で、軽い頭痛と地に足が付いていない様な気がしました。

展望台の手前の階には、周囲が全て氷の回廊があります。

外の展望台へ出る前にランチタイムです。
何件かのレストランがありますが、我々が入ったのは何故か中華を中心としたレストランでした。
私は春巻き付の焼きそばを食べましたが、不味くはなかったです。
田中助教は軽い高山病で頭痛が続いているようです。
■ スフィンクス展望台

これは展示されていたパネル写真ですが、写真のように山の稜線上にスフィンクス展望台があります。
駅からはエレベータと階段でかなり上ります。

展望台の海抜は3,571Mになります。
5階建てのこの大規模な鉄骨構造の建造物をいったいどのように建設したのでしょうか。
大変な工事であったことが偲ばれます。
富士山山頂に近い標高です。
ここまで登山電車で来ることができることが、さすが観光立国スイスたる所以ですね。

展望台へ出ると風が強く雪は少ないながら吹雪いていました。

とにかく寒いです。
間違いなく気温は氷点下でしょう。
もう6月というのにビックリです。

ユングフラウとアイガーは雲に隠れていましたが、幸いメンヒ(標高4,107M)を眺めることができました。

メンヒ山頂です。
これを拝めただけでもここまで来た甲斐がありました。

展望台上のワイヤーに鳥が1羽止まっています。
この標高なので、雷鳥などの鳥だと思いますが黒い羽根です。
チーム東葛野鳥撮影チームの方なら何の鳥か解るでしょうか?
■ 再びユングフラウヨッホ駅へ

駅へ戻る建物から降りた通路に、この登山鉄道の工事(岩盤にトンネルを穿つことが最大の仕事)の様子を写真展示してありました。
100年以上前に、この山の岩盤に人海戦術でトンネルを掘ると困難さが偲ばれました。

ホーム手前に何故か昔懐かしい日本のポストが設置してありました。
どうやら郵便ポストとして、これを使っているようでした。

ここからクライネシャイデック駅まで、この電車で下ります。
■ クライネシャイデック駅

復路もこの駅で乗換します。


朝は周囲が見通せましたが、午後になった今は駅全体が霧に包まれてしまいました。
廻りの風景は何も見えません。
■ アルプスの風景

ハイジとペーターが登場しそうな風景です。

牛は乳製品に最適と言われるジャージー牛のようです。
■ グリンデルワルト駅

乗ってきた電車です。

この駅も登山電車の駅らしく廻りと仕切られていません。
綺麗な街の風景がすぐ目の前に広がります。
帰りは往路通過したラウターブルーネン廻りではなく、グリンデルワルト経由でインターラーケンへ戻ります。
電車の待ち時間があったので、グリンデルワルトの街を少し散策しました。

背景にアルプスを控えたいかにも登山基地らしい街並みです。
天気が悪いことが恨めしいですね。

こんな日本人対応の観光案内所もありました。

そろそろ電車の発車時刻が近づいたので駅へ戻りました。

今度はこの電車でインターラーケンまで向かいます。
■ 再びベルン

インターラーケンでベルン行きの特急列車に乗換えて、再びベルンへ到着です。

チューリッヒ行きの特急に乗り換えます。
■ チューリッヒ到着

もうすぐチューリッヒ駅へ到着します。

到着しました。
相変わらずカラフルな列車が出発を待っています。

チューリッヒ駅正面玄関です。
明日は、帰国日ですがトラムで空港まで行くので、チューリッヒ駅は見納めかも知れません。
仕事の合間の1日でしたが、永年思い続けていたユングフラウヨッホに行け感激しました。
天候に恵まれなかったことは残念でしたが、メンヒが眺められたことが幸いでした。
又、登山電車を満喫できましたし、登山基地の街やアルプスの風景も堪能しました。
プライベートで来ることができたなら、山の方で2泊ほどしてトレッキングできたならすばらしいですね。
是非もう一度訪問したいものです。
1年半前の古ネタでしたが良い機会でしたので、3回連続シリーズで昨年6月のスイス出張顛末記をご紹介させていただきました。
スポンサーサイト
- 2013/12/23(月) 22:12:10|
- 日々のくらし
-
| トラックバック:0
-
| コメント:18
素敵な写真満載で、スイスへ行った気分になれますね!
自分も昨年遊びに行きましたが、とにかく物価が高くて食事はミグロスで購入、部屋で食べたことを思い出しました。
でも。
それを差し引いてもきれいな風景を眺めるのは楽しいですね。
山登りなんてほとんどしたことがないのに、俄か登山客になって楽しみましたね~♪
機会があれば何度でも行きたいですが、10時間以上飛行機に乗るのは苦痛です・・・
- 2013/12/25(水) 19:42:52 |
- URL |
- 103 #-
- [ 編集 ]